1996.12.14 VOL.1
REDS VOICEトップページへ戻る岡野田北池田(伸)西野

「本当にいつもいい声援をしてもらって…。(天皇杯でも)元旦に国立を真っ赤に染めるようにがんばりたい。」

田北雄気(GK)YUKI TAKITA
VOICE
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今年はどんなシーズンでしたか?

「大きな怪我もなく1年を通してできた。いいシーズンでした」

 Jリーグ1年目には土田を上回る出場数を記録した田北だったが、94年には出場なし、95年もわずかに5試合の出場に止まった。その間、左膝の故障でランニングもできないというジレンマも経験した。そして96年、田北はリーグ戦全30試合に出場、ゴールマウスを守った。長い苦しい時間を乗り越え、以前よりも精神的にも肉体的にも数段強くなって帰ってきたのだ。今シーズン、リーグ最小の31失点に抑えたレッズ・ディフェンス陣。その一番後ろにはいつも田北がいた。

一番心に残っている試合は?

「負けたけど鹿島とやった国立の試合、雨の中で真っ赤に染まった国立でやったあの試合は一番印象に残っている。」

 トップを走るアントラーズと1勝差で追うレッズとの首位決戦に、11月8日の国立競技場は燃えた。両チーム一歩も譲らない激戦は延長、PK戦にまでもつれ込み、結局レッズは敗れた。しかし、レッズ・イレブンが見せた気迫、そして好セーブを連発した田北の勝利への執念はスタンドを真っ赤に埋め尽くしたサポーターを十分満足させるものだった。

サポーターへのメッセージを。

「本当にいつもいい声援をしてもらって…。特に国立での大合唱は今でも胸に残っている。(天皇杯でも)元旦に国立を真っ赤に染めるようにがんばる」

 すでに29歳。しかし田北はGKだ。GKとして、これからがもっとも脂の乗る時期である。「赤き血のイレブン」に憧れてサッカーを始めた浦和の少年が、苦境の3年間を乗り越え、29歳にしてレッズの守護神になったのだ。イレブンからもサポーターからも信頼の厚い田北雄気。来年も「ユウキ・コール」が駒場のスタジアムに響くはずだ。
















写真提供:山添 敏央
インタビュー:広報部