PARTNER STORY
浦和レッズを様々な面からサポートいただいているパートナーのみなさま。
その背景にあるパートナーのみなさまとレッズの歴史、そして熱い想いに迫ります。
浦和レッズの歴史に欠かせない存在。このパートナー企業なくして浦和レッズはなかった。それが三菱自動車だ。
歴史は長い。1950年、レッズの前身である三菱重工業サッカー部が誕生した。Jリーグの前身である日本サッカーリーグには初年度の1965年から参加し、通算最多勝利、通算最多勝ち点を記録した名門チームだった。
その当時、三菱自動車は三菱重工業の自動車部門だった。1970年に分離して三菱自動車工業が設立されると、その20年後の1990年に三菱重工業サッカー部は三菱自動車サッカー部に移管した。
その理由について、三菱自動車の国内営業本部長を務める印藤啓孝氏はこう説明する。
「三菱重工にあったサッカー部をより多くの方に応援していただけるよう、消費者と直接接点のある三菱自動車に移管されたと聞いています」
レッズと三菱自動車の関わりは30年、そして三菱グループとの関わりは70年もの歴史がある。ただ、トップパートナーとしての関係を続けているのは歴史があるからだけではない、と印藤本部長は続けた。
「浦和レッズの理念に共感しているからでもあります。浦和レッズの理念の中に、『大切にする価値観』がありますが、その1つに【誠実さ】という言葉があります。これは三菱自動車の『信頼される企業として誠実に活動します』というミッションに共通しています。同じ理想を掲げながら、共に進んできたという経緯があります」
長い歴史と共感によりパートナーであり続けてきたレッズと三菱自動車。だが、そんな両者の関係も解消されてしまうのではないかと危惧される出来事があった。
2016年、三菱自動車は日産自動車と資本業務提携を結んだ。日産自動車は横浜F・マリノスの主要株主であり、Jリーグクラブライセンス交付規則では同じグループで2つのクラブチームを持つことは禁じられている。そのため、三菱自動車は直接的なレッズとの関係を解消せざるをえなかった。苦渋の選択だった。「それでも」と印藤本部長は続けた。
「引き続き浦和レッズをサポートすることを最優先に考えました」
その結果、三菱重工業との共同出資という形でダイヤモンドF.C.パートナーズ株式会社を設立。間接的ではありながらも、変わらずレッズをサポートできる体制を構築した。印藤本部長は力強く、次のように話す。
「経営体制が変わっても、当社の浦和レッズへの思いに変わりはありません。引き続きファン・サポーターのみなさまとともに、当社も全力で浦和レッズを応援させていただきたいと考えております」
印藤本部長は2014年から2018年の間、関東三菱自動車販売株式会社(現・東日本三菱自動車販売株式会社)の社長を務めていた。印藤本部長の前に関東三菱自動車販売株式会社で社長を務めていたのが、2014年2月から2019年1月までレッズの代表を務めていた淵田敬三氏だった。
「それもあって本当に身近な存在でしたし、大変よくしていただきました」
そう言って笑う印藤本部長は、関東三菱自動車販売株式会社の社長を務めていた際にレッズの影響を感じたという。
「埼玉県も1つの販売エリアですが、非常にレッズのファン・サポーターの方が多くて、熱狂的な方もおられました。お客様にも喜んでもらえたという実感があります」
さらにレッズの影響はお客様との関係だけではなく、社内にも大きく及んでいるようだ。
「社員の就職の志望動機に『浦和レッズのパートナー企業だから』ということが挙げられたこともありました。社員も浦和レッズのパートナー企業であることを大変誇らしく思っています。試合のときは社内でもレッズの話題で持ちきりになりますし、優勝したときには社内を上げて応援ムードになり、活気を与えていただきました」
印藤本部長はレッズの魅力について、真っ先に「ファン・サポーターの熱い応援」と答えた。それは印藤本部長自身が感じているだけではなく、三菱自動車の元会長である益子修氏からも話を聞いていた。
今年8月に亡くなられた益子元会長は、前述の2016年の際には「Jリーグの規定に抵触しないようにしっかり対応し、レッズに影響がないようにする」とメディアの前で話し、トップチームはもちろんレディースチームも懇意にしてくださっていた。浦和レッズの歴史に欠かせない人物の一人だ。印藤本部長は回想する。
「益子元会長は『浦和レッズレディースが優勝したらお祝いしよう』と話されていましたし、実際にレッズレディースの選手たちとの食事会を開いていたと聞きます」
益子元会長はコロナ禍で延期されたなでしこリーグ1部が開幕して1ヵ月余りで旅立たれた。レッズレディースが快進撃を見せようとする最中だった。しかし、益子元会長はきっと天国でレッズレディースの優勝を見てくださったことだろう。
益子元会長の熱い思いを知っている印藤本部長は、これからもレッズには「強くあってほしい」と願っている。レッズの理念の中に「強くて魅力あるチームを作る」という言葉があるが、三菱自動車もその理念に共感し、強くて魅力のある車を提供し続けたいという。
その1つが12月4日に発表・発売された『エクリプス クロスPHEV』だ。2009年に世界で初めて量産電気自動車『i-MiEV(アイ ミーブ)』を発売して以来、三菱自動車は電気自動車の分野において先駆者であり続けている。『エクリプス クロスPHEV』は『アウトランダーPHEV』に続き、SUVで二番目となるPHEV(プラグインハイブリッド)モデルだ。
「今年の8月に中期経営計画を発表しましたが、当社としては2022年度までに新型車の投入によって環境対応車に力を入れようとしています。プラグインハイブリッド車、あるいは電気自動車といった環境対応に優れた車を充実させていこうと考えています」
2020年は過去に例を見ない一年だった。スポーツ界、レッズに限らず、三菱自動車にとっても新型コロナウイルスの影響は小さくなかった。3月に『eKクロス スペース』『eKスペース』を発表・発売したが、その矢先に新型コロナウイルスの感染が拡大し、思うようにお客様を呼び込むことができなかった。
しかし、三菱自動車もレッズ、そしてファン・サポーターと共にこの状況を乗り越えたいと考えている。
「三菱自動車としては浦和レッズのサッカーを確立していただくために、引き続き熱い応援をさせていただきたいと思っています。大変厳しい状況が続いていますが、ファン・サポーターのみなさまの熱い思いを信じています。一緒にこの厳しい状況を乗り越えていきましょう」
これからも絆は固く結ばれ続けるだろう。お互い誠実に、強くて魅力あるチームと環境にやさしく魅力的な車を作り続けることを目指し、浦和レッズと三菱自動車は共に走り続ける。